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D-Wave(QBTS)とは?二つの方式を分けて調べる

銘柄情報

会社名ティッカー・市場記事で見る技術・分野
NTT9432・東証光量子
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D-Wave QuantumQBTS・NASDAQ量子アニーリング・ゲート型
Quantum Computing Inc.(QCi)QUBT・NASDAQ光・フォトニクス・半導体
IBMIBM・NYSE超伝導・量子サービス
じいじと量子アニーリングの山谷、冷却装置を描いたアイキャッチ
じいじと量子アニーリングの山谷、冷却装置を描いたアイキャッチ

今回の疑問

D-Wave Quantumは、量子アニーリングとゲート型という二つの方式を扱うと説明している会社です。量子コンピュータの記事を読み始めると、会社名、方式、装置、クラウド、決算、政府との契約が一つの見出しに並ぶことがあります。私は最初、それらを全部「会社が伸びている話」として読んでしまいそうになりました。

しかし、方式の説明と決算の数字は同じ種類の情報ではありません。政府との契約も、会社が受け取る金額、条件、研究の対象、今後の不確実性を分けて読まなければなりません。この記事では、D-Waveの公開資料を使い、まず何を確認できるかを整理します。

確認できた事実:量子アニーリングとゲート型を扱う

D-Waveは、量子アニーリングとゲート型の二つを扱う「デュアルプラットフォーム」の量子コンピュータ企業だと説明しています。ここでいうプラットフォームは、計算の方式だけでなく、装置、ソフトウェア、利用者が使うサービスを含む会社の説明です。

量子アニーリングは、たくさんの候補から条件に合う組み合わせを探すときに使われる考え方です。問題をエネルギーが低い状態を探す形に直し、低いエネルギーの解を探します。D-Waveの公式解説では、組合せ最適化と確率的サンプリングの問題に向く手法として説明されています。

一方のゲート型は、量子ビットへ操作を順番に加え、量子回路として計算を表す方式です。D-Waveは、アニーリングとゲート型の両方に関するシステム、ソフトウェア、サービスを提供するとしています。ただし、二つの方式を扱うという事実だけから、どの問題にも同じように使える、あるいは性能が決まるとは言えません。

D-Waveの量子アニーリングとゲート型を分けて示す図
D-Waveの量子アニーリングとゲート型を分けて示す図 図を拡大して見る ↗

じいじの理解メモ:方式と会社を同じ言葉にしない

私は、量子アニーリングを「条件に合う組み合わせを探すための入口」、ゲート型を「操作を並べた量子回路を作る入口」として覚えています。けれども、方式は技術の説明です。会社の売上、利益、契約、株価までを一つの言葉で決めるものではありません。

企業の記事では、まず「どの方式の話か」を確認します。その次に、すでに発表された装置やサービスの事実、会社が掲げる将来の目標、まだ分からない条件を別々に読みます。この順番なら、強い見出しを見たときにも少し立ち止まれます。

方式の説明と会社の事業情報を、別の箱に分けて読む男性じいじの図解
方式の説明と会社の事業情報を、別の箱に分けて読む男性じいじの図解 図を拡大して見る ↗

確認できた事実:クラウドと利用の入口

D-Waveは、Leapという量子クラウドサービスを通じて、量子コンピュータの利用環境を提供しています。クラウド経由の提供とは、利用者が装置を自分の施設に置かず、ネットワークを通じて計算環境へアクセスする形です。装置そのもの、問題を入力するソフトウェア、結果を受け取る仕組みは、分けて考える必要があります。

量子アニーリングでは、現実の課題をそのまま装置へ入れるのではありません。条件や優先順位を、装置が扱える問題の形に直します。その後に返った候補が、元の条件を満たしているかを普通のコンピュータでも確かめます。量子コンピュータを使ったという発表だけでは、どの問題をどう表し、どんな条件で比べたのかまでは分かりません。

このため私は、企業の「利用事例」を読むとき、方式名のほかに、問題の形、比較方法、結果の確かめ方、会社発表なのか第三者による検証なのかを確認することにします。これは評価のためではなく、記事を正確に読むための手順です。

クラウド利用では問題を整え、計算し、結果を確かめる流れを学ぶ男性じいじの図解
クラウド利用では問題を整え、計算し、結果を確かめる流れを学ぶ男性じいじの図解 図を拡大して見る ↗

確認できた事実:2026年Q2の数字

D-Waveは2026年8月6日、同年6月30日までの第2四半期の結果を発表しました。会社の発表にある主な数字は次のとおりです。

ここで、売上高とブッキングは同じ意味ではありません。売上高は会計上その期間に計上された数字です。ブッキングは会社が定義する受注に関する指標であり、将来の売上がいつ、どのように計上されるかを単独では決めません。D-Waveの資料でも、上期のブッキングに含まれるシステム販売の売上は後の四半期に認識される予定だと説明されています。

現金・市場性投資有価証券(換金できる投資を含む)も、利益や将来の売上と同じではありません。私は数字を見つけたら、期間、会計上の項目か会社独自の指標か、買収や一時的な販売の影響があるかを確認します。一つの数字だけで会社全体を結論づけないためです。

売上高、ブッキング、現金を別の意味として読む男性じいじの決算図解
売上高、ブッキング、現金を別の意味として読む男性じいじの決算図解 図を拡大して見る ↗

米商務省との最大1億ドルの契約は何を意味するか

D-Waveは2026年9月8日、米商務省との最終契約を発表しました。SEC提出資料によれば、契約の基準日は9月4日です。契約形式はOther Transaction Agreementで、米国政府が研究開発などで用いる通常の調達契約とは異なる形式です。対象は、先端マイクロエレクトロニクスの研究開発です。会社は、量子技術と拡張可能な高性能量子部品を含み、アニーリングとゲート型の超伝導量子コンピュータの開発を加速・拡張する目的だと説明しています。

会社の発表では、資金は最大1億ドルです。「最大」とあるため、必ず全額を直ちに受け取るという意味にはできません。発表には、資金を受け取る条件として、米商務省がD-Waveの少数・非支配の持分を受け取ることも示されています。資金の受領時期、研究開発の進み方、目標の達成には不確実性があると、会社自身も注意書きで説明しています。

私は政府との契約を読むとき、金額だけを大きく見せないようにします。対象は何か。上限か確定額か。条件は何か。いつ受け取るのか。会社の将来見通しと、すでに締結された事実のどこが違うのか。この五つを分けて残します。

政府との契約を、金額、対象、条件、不確実性に分けて読む男性じいじの図解
政府との契約を、金額、対象、条件、不確実性に分けて読む男性じいじの図解 図を拡大して見る ↗

まだ分からないこと

今回の公開資料だけでは、研究開発の各段階がいつ完了するか、最大1億ドルの資金がいつどの程度受け取られるか、研究開発が将来の売上や利益へどう結び付くかまでは確定できません。また、会社が挙げる将来の技術目標は、発表時点の目標です。実現済みの事実と同じ言葉にしないようにします。

二つの方式を扱うことも、企業を読む上では一つの情報です。ただし、アニーリングとゲート型では問題の形、計算の進め方、測定の方法、比較の条件が同じではありません。他社と比較するときにも、同じ物差しが使えるかを先に確かめます。

筆者の記録

私はD-Waveを、量子アニーリングだけでなくゲート型も扱うと説明する会社として、まず覚えます。二つの方式を使い分ける詳しい条件や、会社が公表する数字をどう継続して追うかは、まだ勉強中です。ここに書いたことは公開資料を読んだ個人の学習記録であり、購入・売却の判断ではありません。

今日覚えるのはこれだけ

D-Waveを読むときは、二つの方式、クラウドでの提供、決算の数字、米商務省との契約を別々の情報として読みます。最大1億ドルという見出しだけで、技術、売上、利益、株価までを結論づけないようにします。

じいじ理解度

★★☆☆☆(公開資料を読み、事実と会社の目標を分けて整理できた段階)

量子アニーリングとゲート型は、問題の扱い方が違うことを確認できました。一方で、会社が出すブッキングや残存履行義務といった数字を、売上とどう分けて読めばよいかは、これから学ぶ課題です。

今回の用語集

出典

更新履歴

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