SEALSQ(LAES)とは?量子安全と量子コンピュータを分けて調べる

銘柄情報
| 会社名 | ティッカー・市場 | 記事で見る技術・分野 |
|---|---|---|
| SEALSQ | LAES・NASDAQ | 量子安全・耐量子暗号 |
| IBM | IBM・NYSE | 量子コンピュータ・量子サービス |
| IonQ | IONQ・NYSE | イオントラップ |
| Rigetti Computing | RGTI・NASDAQ | 超伝導 |
- 分類:米国量子関連株
- 最終確認日:2026年9月20日
SEALSQは量子コンピュータ本体の会社と同じではない
IonQやRigettiは、量子ビットを使う計算装置を開発する企業です。一方、SEALSQを読むときは、量子コンピュータ本体ではなく、半導体、PKI(公開鍵基盤)、耐量子暗号を扱う量子安全分野の企業として分けます。
公開鍵暗号は、通信相手が本物かを確かめたり、電子署名を確認したりするための仕組みです。将来、能力の高い量子コンピュータが実用化された場合、現在使われる暗号方式の一部に影響が出るおそれが研究されています。耐量子暗号は、その心配を前提に、将来の量子計算機による攻撃にも耐えることを目指す考え方です。

今日覚えるのはこれだけ
SEALSQは、量子ビットを増やす会社なのか、量子時代にも情報を守る仕組みを扱う会社なのかを分けて読みます。
じいじ理解度:★★☆☆☆
製品の説明と、導入・売上は別に確認する
SEALSQの2026年6月の会社発表では、QS7001を耐量子暗号に対応したセキュアエレメントとして説明しています。セキュアエレメントは、鍵などの大切な情報を機器の中で守るための専用部品です。
製品の説明は、会社が何を目指しているかを知る入口になります。ただし、製品が説明されたこと、認証が完了したこと、顧客の機器に採用されたこと、売上になったことは同じ意味ではありません。資料を読むときは、どの段階の話なのかを分けます。

SEALSQは2026年8月、子会社IC'Alpsを通じたQASICのロードマップ更新を発表しました。これは耐量子技術とASIC設計を組み合わせる開発の説明です。ロードマップは会社の将来計画であり、現時点で完成した製品や確定した収益と同じ意味にはしません。
SEC提出の2026年6月期資料で数字を読む
SEALSQは2026年9月14日、2026年6月30日時点の要約連結財務諸表をForm 6-KとしてSECへ提出しました。資料は未監査です。数字は6か月累計であり、1四半期だけの数字や会社が先に出した予備発表とは混ぜないようにします。
提出資料によると、2026年1月から6月の売上高は1,115.1万ドル、営業損失は3,216.2万ドル、連結純損失は2,778.9万ドルでした。2026年6月30日の現金・現金同等物は4億7,979.7万ドルです。短期投資は別項目です。普通株式の発行済・流通株式数は2億2,343万764株でした。

売上だけ、現金だけ、損失だけを取り出して結論を出さないようにします。損失には研究開発、販売・マーケティング、一般管理などの費用が関係します。株式数の変化も、公開資料を読む際に確認する項目です。これらは購入や売却の答えではありません。
予備発表と提出資料を同じ言葉にしない
会社は2026年7月、H1 2026の売上を約1,100万ドル、前年同期比約120%増とする予備・未監査の発表をしました。提出資料の数字と近くても、発表日、対象期間、単位、監査の有無を付けて読みます。
半導体、機器、ネットワークを分けて見る
耐量子暗号はソフトウェアだけの話に限りません。機器内の半導体部品、機器を本物だと確かめる仕組み、鍵の管理、ネットワーク側の更新がつながります。SEALSQの資料も、半導体、機器、ネットワークのどの場所の話かを分けて読みます。

部品の説明があったことだけで、広く使われたことや利益が出たことまでは決まりません。製品、認証、評価、契約、売上は別の段階です。公開資料に書かれていない採用状況や今後の利益、株価は「まだ分からない」と残します。
じいじの学習メモ
私にとってこの会社は、量子コンピュータが何を計算できるかとは別に、量子時代に情報をどう守るかを学ぶ入口です。計算を速くする話と、情報を守る話は、同じ「量子」という言葉を使っていても向きが違います。筆者の保有状況は公開しません。
次回の確認では、SEC提出資料の更新日、製品認証の発表、顧客による導入を示す一次資料、株式数の変化を分けて記録します。見出しだけで判断せず、いつ、どの資料で、何が確認できたのかを残します。
今回の用語集
- 耐量子暗号(PQC):将来の量子計算機による攻撃にも耐えることを目指す暗号の考え方です。
- PKI:電子証明書などを使い、通信相手や電子署名を確かめる仕組みです。
- セキュアエレメント:鍵などの大切な情報を機器内で守る専用部品です。
- ASIC:特定の目的に合わせて設計する集積回路です。
- 未監査:第三者監査が終わる前の財務資料であることを示します。
- Form 6-K:米国市場に上場する外国企業がSECへ提出する報告書の一つです。
出典
- U.S. Securities and Exchange Commission, SEALSQ Form 6-K / Exhibit 99.1(2026年9月14日提出)
- SEALSQ, H1 2026 preliminary results(2026年7月6日)
- SEALSQ, QS7001 post-quantum secure element(2026年6月22日)
- SEALSQ, QASIC roadmap update(2026年8月26日)
- NIST, Post-Quantum Cryptography project
更新履歴
- 2026年10月18日:じいじのやわらか解説と今回出た言葉を追加し、関連する説明の近くに配置しました。今回の確認範囲は追加した説明と配置です。既存記事全体の事実を再調査したものではありません。