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IBMとは?量子部門と全社事業を分けて調べる

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IBMは量子専業企業ではない

IBMは、量子コンピュータだけを扱う会社ではありません。企業向けソフトウェア、コンサルティング、インフラ、AIなど幅広い事業を持つ企業です。その中にIBM Quantumという量子分野の取り組みがあります。

このため、量子技術の発表があったからといって、IBM全社の業績や株価について結論を出すことはできません。この記事では、IBM Quantumが公開しているハードウェア、ロードマップ、古典計算との組み合わせ方を、IBM全体とは別の話として整理します。

左枠で考えるじいじと、右枠の冷却装置・光るチップ
左枠で考えるじいじと、右枠の冷却装置・光るチップ

今日覚えるのはこれだけ

IBMを読むときは、量子部門の技術計画と、IBM全社の事業・決算を同じ意味にしないことが大切です。

じいじ理解度:★★☆☆☆(公開資料を読み、事実と会社の目標を分けて整理できた段階)

確認できた事実1:IBMは超伝導方式を使っている

IBM Quantumは公開資料で、量子プロセッサーを極低温で動かす超伝導方式を採用すると説明しています。超伝導量子ビットは、非常に低い温度で安定した状態を保つため、チップだけでなく冷却装置、信号を送る配線、制御用の電子機器が必要です。

IBMは、HeronやNighthawkなどの量子プロセッサーを公開しています。量子ビット数は技術の一つの指標ですが、それだけで計算の正確さ、使いやすさ、実用性を決められません。エラー、接続の仕方、回路をどれだけ実行できるか、古典コンピュータとどう連携するかも確認します。

IBMの量子コンピュータを支える極低温装置と周辺技術の図
IBMの量子コンピュータを支える極低温装置と周辺技術の図 図を拡大して見る ↗

確認できた事実2:量子だけでなく古典計算と組み合わせる

IBMは「量子中心スーパーコンピューティング」という考え方を説明しています。これは、CPUやGPUなどの古典コンピュータと量子プロセッサーを一緒に使い、それぞれが得意な部分を担当する考え方です。

量子コンピュータが普通のパソコンを丸ごと置き換える、という意味ではありません。問題を準備する、量子回路を実行する、結果を確かめる、といった工程には古典計算も関わります。量子と古典の役割分担を考えることが、初心者がニュースを読むときの助けになります。

量子と古典計算の役割分担
量子と古典計算の役割分担 図を拡大して見る ↗

Qiskitは何のためのソフトウェアか

IBMはQiskitという量子コンピューティング用ソフトウェアを提供しています。量子ハードウェアの数字だけでなく、使う人が回路を作り、実行し、結果を読み取るソフトウェアやクラウドの仕組みも量子分野の一部です。

ただし、ソフトウェアが公開されていることと、特定の用途で経済的な価値が確立していることは別の話です。用途ごとの検証や、量子と古典の比較条件を確認する必要があります。

ハードウェアとソフトウェアの関係
ハードウェアとソフトウェアの関係 図を拡大して見る ↗

会社の目標:Starlingは2029年の計画

IBM Quantumのロードマップには、2029年に「Starling」というフォールトトレラント量子コンピュータを提供する計画が示されています。公開ページでは200論理量子ビット、1億回の量子ゲート実行を目標に掲げています。

これは現時点で達成済みの性能ではなく、会社の目標です。ロードマップ自体にも、意図や目標は変更または撤回される可能性があると書かれています。そのため「2029年に必ず実現する」とは書けません。

ロードマップを目標として読む図解
ロードマップを目標として読む図解 図を拡大して見る ↗

フォールトトレラントとは

量子ビットは外部の影響でエラーを受けやすいため、複数の物理量子ビットを使って情報を守り、エラーを検出・訂正する仕組みが研究されています。フォールトトレラントは、このようなエラーへの強さを備え、長い計算を安定して行える状態を目指す言葉です。

IBMの計画では、モジュールをつなぐ冷却システム、プロセッサー、エラー訂正の解読(検出した誤りの内容を読み解く処理)、制御技術を組み合わせてStarlingへ進むとしています。一つのチップを大きくするだけの計画ではありません。

モジュールとエラー訂正を学ぶ図解
モジュールとエラー訂正を学ぶ図解 図を拡大して見る ↗

2026年の発表は何を示すか

IBMは2026年8月、二つの極低温モジュールを一つの環境へ接続し冷却したと発表しました。これは将来の複数チップ構成へ向けた工学上の節目として同社が位置づけるものです。

同じく2026年6月、IBMは今後5年間で量子コンピューティングへ100億ドル超を投資する計画を発表しました。これは研究開発、製造、提携などを含む会社の投資計画です。投資額の発表は、将来の利益や技術目標の達成を保証するものではありません。

事実と計画を分ける図解
事実と計画を分ける図解 図を拡大して見る ↗

まだ分からないこと

Starlingの目標がどの条件で検証されるか、投資計画がどのように進むか、IBM全社の中で量子分野の売上がどの程度を占めるかは、この記事の公開資料だけでは確定できません。次のロードマップと決算資料で確認します。

じいじの学習メモ

私は『インターフェース』2022年6月号を入口に量子コンピュータへ興味を持ちました。ただし、これは私の学習の記録であって、投資を勧めるものではありません。IBMでは、量子チップの数だけを追うのではなく、冷却、接続、ソフトウェア、古典計算との連携がそろって初めて長い計算を目指すのだと学びました。

この記事の結論

IBM Quantumは超伝導方式のハードウェアと、量子・古典計算を組み合わせる仕組みを同時に進めています。Starlingは2029年の会社目標であり、達成済みの事実とは分けて読む必要があります。IBMを調べるときは、量子部門の発表とIBM全社の事業を混ぜずに、次の公式発表と決算資料を確認します。

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出典

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