富士通(6702)とは?理研との量子開発を分けて調べる
銘柄情報
| 会社名 | ティッカー・市場 | 記事で見る技術・分野 |
|---|---|---|
| NTT | 9432・東証 | 光量子 |
| 富士通 | 6702・東証 | 量子・量子HPC |
| IonQ | IONQ・NYSE | イオントラップ |
| Rigetti Computing | RGTI・NASDAQ | 超伝導 |
| SEALSQ | LAES・NASDAQ | 量子安全・耐量子暗号 |
| D-Wave Quantum | QBTS・NASDAQ | 量子アニーリング・ゲート型 |
| Quantum Computing Inc.(QCi) | QUBT・NASDAQ | 光・フォトニクス・半導体 |
| IBM | IBM・NYSE | 超伝導・量子サービス |
- 分類:日本量子株
- 読了目安:12分
- 最終確認日:2026年9月20日
富士通は量子専業企業ではない
富士通は、ITサービス、ソフトウェア、ネットワーク、コンピューティング技術など幅広い事業を持つ日本企業です。量子コンピュータは、その中の研究開発・事業化を目指す重要な分野の一つです。量子技術の発表と、富士通全社の売上や利益、株価の動きを同じ意味にしないことが大切です。
富士通の量子分野では、理化学研究所(理研)との連携、超伝導方式の量子コンピュータ、量子シミュレータ、古典計算と組み合わせるハイブリッド基盤が公開されています。この記事では、確認できたことと、これからの目標を分けて読みます。

今日覚えるのはこれだけ
富士通を調べるときは、量子コンピュータ単体だけでなく、理研との連携、古典計算との組み合わせ、ソフトウェアまでを分けて見るのが入口です。
じいじ理解度:★★☆☆☆(公開資料を読み、事実と会社の目標を分けて整理できた段階)
確認できた事実1:理研と256量子ビットの超伝導機を開発
富士通の研究ポータルは、理研とともに256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発し、ハイブリッド量子コンピューティング基盤も提供していると説明しています。超伝導方式は、量子ビットを非常に低い温度へ冷やして動かす方式です。
量子ビット数は規模を知る一つの手がかりですが、多ければすぐに何でも解けるわけではありません。エラーの少なさ、量子ビット同士のつなぎ方、回路をどれほど実行できるか、ソフトウェアとの連携も確認します。

確認できた事実2:量子と古典計算を組み合わせる
富士通は、量子コンピュータだけで完結させるのではなく、シミュレータや高性能計算(HPC)などの古典計算と組み合わせる考え方を示しています。量子計算に向く部分を試しながら、準備・解析・検証は古典コンピュータが担う、という役割分担です。
創薬、材料科学、金融といった例は、会社が研究や応用の候補として示す分野です。特定の用途でどの程度の効果が確立しているかは、個別の実証条件や第三者の検証を確認します。

量子シミュレータと量子コンピュータは別の道具
この記事でいう量子シミュレータは、普通のコンピュータ上で量子計算をまねて動かす仕組みです。本物の量子プロセッサーとは別の道具ですが、アルゴリズムの学習や検証に使われます。富士通は量子シミュレータと超伝導量子コンピュータの両方を扱っています。
ニュースで「量子」と出たときは、実機なのか、シミュレータなのか、量子に着想を得た計算なのかを確認します。

会社の目標:大規模化と誤り耐性への道筋
富士通の公開資料には、量子コンピュータの大規模化と、より早い段階の誤り耐性量子計算(early-FTQC)へ向けた構想が示されています。ここでいうearly-FTQCは、完全な誤り耐性を目指す前段階の研究・開発の位置づけです。ロードマップは会社が将来をどう目指すかを示すものです。現時点で達成済みの性能ではありません。
また、富士通はSTARアーキテクチャというエラー訂正に関する研究も公開しています。量子ビットはノイズの影響を受けやすいため、長く複雑な計算を行うには、エラーを見つけて影響を減らす技術が必要になります。


まだ分からないことを残す
今後は、(1) 256量子ビット機でどのような実証が公開されるか、(2) 1,024量子ビットの計画がいつ・どの条件で進むか、(3) ハイブリッド基盤でどの仕事を量子・古典計算へ分けるのか、(4) エラー訂正の検証結果が第三者にも確認できる形で示されるか、を追います。
技術ロードマップや研究の発表は大切な資料ですが、将来の事業規模、利益、株価を保証するものではありません。

じいじの学習メモ
私は『インターフェース』2022年6月号を入口に量子コンピュータへ興味を持ちました。ただし、これは私の学習の記録であって、投資を勧めるものではありません。富士通では、量子コンピュータだけでなく、理研との連携とHPC・シミュレータの組み合わせにも注目して、公式資料を読み直します。
この記事の結論
富士通の量子分野では、理研との連携、超伝導量子コンピュータ、シミュレータ、HPCとの組み合わせを分けて読む必要があります。将来のロードマップは会社の目標であり、実現済みの性能や全社の業績とは別に確認します。
今回の用語集
- 超伝導方式:とても低い温度で動かす量子ビットを使う作り方です。
- 量子ビット:量子コンピュータが情報を扱う基本の単位です。
- HPC:高性能計算のことです。大きな計算を行うための高性能なコンピュータ環境を指します。
- 量子シミュレータ:普通のコンピュータで量子計算の動きをまねて、学習や検証をする仕組みです。
- 誤り耐性量子計算(FTQC):計算中のエラーを検出・訂正しながら、安定して計算することを目指す仕組みです。
- ロードマップ:会社や研究機関が将来の目標を示した計画表です。実現済みの事実とは別に読みます。
出典
- 富士通, Computing Research Portal(2026年9月20日確認)
- 富士通, STARアーキテクチャ(2026年9月20日確認)
更新履歴
- 2026年10月18日:じいじのやわらか解説と今回出た言葉を追加し、関連する説明の近くに配置しました。今回の確認範囲は追加した説明と配置です。既存記事全体の事実を再調査したものではありません。
- 2026年9月20日:記事を作成。